『カモミール』はとてもいい香りで、女性に嬉しい効果が満載のハーブです。効能も素晴らしく、初心者にも育てやすいと良いこと尽くめです!初めてハーブを育てる方の最初のチョイスに大変オススメです!
そんな素敵なカモミールの育て方を店舗で14年以上苗の販売をしてきた私が、初めての方にも分かりやすく紹介させていただきます。
ぜひ皆さんもこの記事を読んで実際にカモミールを育ててみてください。
カモミールについて

- 植えつけ期:3~5月 9~11月
- 種まき期:3~4月 9~10月
- 花期:4~6月
- 収穫:4~6月
- キク科
- 一年草(ジャーマン種)多年草(ローマン種)
- 和名 カミツレ
- 草丈 30~80cm程度
- 原産地:ヨーロッパ
- 使用部位:花、葉、茎(ジャーマン種は花のみ)
- 効能:安眠、沈静効果、消化促進、発汗、美肌、抗炎症、せき・気管支炎、生理不順、PMS,ニキビ、養毛、更年期障害、抗酸化作用、アンチエイジング
- 『女性のハーブ』と言われており女性の不調改善に優れる
- 『植物のお医者さん』とも言われており近くに生えている植物を元気にする
リンゴのような?(私はあまりリンゴとは思いませんが…)甘くて強い香りがします。とても素敵な香りでリラックスできます。
花も白くてかわいらしく、とても人気のあるハーブです。
昔からヨーロッパなどでは熱病や婦人病、安眠の薬として利用されていたそうです。
カモミールで特によく利用されるのが『ジャーマン・カモミール』と『ローマン・カモミール』という品種です。
ジャーマン種は一年草で花だけに芳香があります。ハーブティーの利用に向いています。
ローマン種は多年草で花、葉、茎のすべてに芳香がありますが、苦みがあるのでハーブティーには不向きです。庭のグラウンドカバー(雑草防止)に使うのがオススメ。庭に素敵な『香りのカーペット』が作れちゃいますよ
カモミールの育て方

『カモミール』は日当たりと風通しを好むハーブです。
雨がかからない、風通しの良い日なたに置いてあげましょう。
耐寒力があり寒さに強いです。秋から育て初めて冬を越したら、春には丈夫な苗に成長しますよ。
カモミールの種まき

カモミールは種からでも割と簡単に育てることが出来ます。ですが、植物を育てることが初めての方の場合は少し難しい面もあるので苗を購入することをオススメします。(苗を購入する場合は種まきの手順は飛ばしてください)
- 種まきの手順

- 種まきの土(種まき用の土またはバーミキュライト)を容器に入れる
- 種を重ならないようにまんべんなく撒く(小さいので飛び散らないように注意)
- 種に土を薄く被せる(厚くかけすぎないように注意)
- 種が流れないように霧吹きで水をあげるか、容器ごと水に沈める(下から水を吸わせる)
- 芽が出るまで日陰で管理し、乾燥しないように定期的に水をあげる
一週間程度で芽が出てくると思います。無事に芽が出たら本葉が1~2本出るまでそのまま育ててください。【上の緑のプランターの写真くらいで】密集しているところは間引きしてあげてください。(元気なものを残しましょう)←元気がないものは他の空いているプランターなどに移してあげてもいいですよ。
しっかりとした苗に育ってきたら鉢や地植えに植え替えましょう。
~ハーブの種まきについて詳しくはこちら~
カモミールにオススメの土

水はけ、水もちの良い土を好みます。
↑矛盾しているようですが『水はけ』と『水もち』は両立します。たとえるならばスポンジのような状態が良いということです。(濡れた紙だと水もちは良いかもしれないが水はけは悪い スポンジだと水はけも良いので周りをべちゃべちゃに濡らさずに水を保持できるので水持ちも良いのです)
土は市販の『ハーブ専用の土』がオススメです。ない場合は『花と野菜用の土』(安くて質が悪いものはダメ)でも代用可能です。腐葉土、赤玉土(小粒、中粒)を混ぜてあげるとより良い土の状態になります。
【土:赤玉土:腐葉土 を 5:3:2 程度の割合で】
~土について詳しくはこちら~
カモミールにオススメの鉢 プランター 地植え

鉢の場合は5~6号程度が管理し易いでしょう。
大きめのプランターや地植えで育てても綺麗です。密集には注意しましょう。
~鉢やプランターについて詳しくはこちら~
カモミールの肥料について

元肥(植付時に入れる肥料)は専用土を買えば入っているので必要ないでしょう。
秋植えの場合は追肥(あとで追加する肥料)を花が咲く前の3月ごろにあげましょう。リン酸の多い肥料(”P”という成分の多い肥料)が良いです。液体肥料または緩効性肥料(有機肥料、油粕など)がオススメ。
肥料のあげ過ぎは良くないです。香りも落ちてしまいます。あげる場合は控えめにあげましょう。
~肥料について詳しくはこちら~
カモミールの水やりについて

乾燥気味に育てましょう、蒸れに気を付けて。
土の表面が乾いたら水をあげるようにしましょう。ローズマリーとは異なり乾燥させ過ぎない程度の水やりが必要です。葉っぱが少し、しおれてきたら水切れのサインです。葉っぱの状態を観察していれば分かるようになりますよ。
カモミールは蒸れやすいので花や葉っぱには水がかからないようにしましょう。
水やりの時間帯も大事です。昼に水分が残っていると蒸れやすくなるので夕方or早朝にあげるようにしましょう。
カモミールの摘心について
苗の大きさが15~20cm程度のなったら『摘心』をするのがオススメです。

摘心とは茎の先端を指で折るように摘み取ってしまうことです。摘心をすると摘み取ったところの下から横に茎が伸びるような成長に変化します。花数が増えてボリュームのある苗になりますよ。
摘心はしないと育たないわけではありませんが、茎や葉っぱを増やして花をたくさん収穫するためにおすすめの方法になります。
カモミールの害虫について

カモミールにはアブラムシが付きやすいです。私が育てたものにもよくついていました。緑や黒色などの小さい虫です。密集していると気持ち悪いです(;’∀’)
アブラムシは植物のエキスを吸って弱らせてしまいます。だいたい4月の中旬から5月ごろに発生します。
アブラムシがいるところにはアリとテントウムシも発生します。

アリの場合はアブラムシがお尻から甘い蜜を出すため、それを目当てにやってきます。そして蜜をくれるアブラムシを周りの外敵から守ってしまいます。
逆にテントウムシはアブラムシを食べるためにやってくるのでアブラムシを減らしてくれます。テントウムシは植物にとって『益虫』(利益をもたらす虫)となるので追い払わないようにしましょう。

アリやテントウムシを良く見かけるようになったらアブラムシがいないか疑ってみましょう。
肥料のあげ過ぎ(特に窒素分”N”という成分)で発生しやすくなります。
アブラムシを駆除する方法
アブラムシを無農薬で駆除する方法を紹介します。
スプレーを使う
市販のスプレー(食品成分、植物成分のもの)を使うのがお手軽で簡単です。無農薬なので安心ですね。
手作りで作る場合は
- お酢のスプレー(酢を水で50倍程度に薄めて 予防がメイン駆除効果は薄い)
- 牛乳を霧吹きでスプレーして乾燥するまで数分待った後に洗い流す(花にかからないように 使用後にしっかりと水で洗い流しましょう 結構クサイです…)
黄色い粘着テープを使う
ホームセンターや100円均一などで売っている専用テープを使うのも効果的です。
アブラムシは飛んでやってくるのですが、テープを吊るしておくと、アブラムシには黄色いテープに寄って行く習性がある為、黄色いテープに集まり粘着テープにくっついてしまうという原理です。
専用のテープでなくても明るめの黄色いビニールテープなどでも代用できます。
手やセロハンテープ、筆で捕獲する
原始的ですがこれが一番簡単です(笑)
捕獲する場合は植物を傷めないように気を付けましょう。
手や筆の場合は落としたアブラムシをそのまま捨てれるように袋などを敷いておきましょう。
セロハンテープなら粘着してそのまま捨てれるので簡単ですね。(粘着力が強いテープだと植物を傷めやすいのでセロハンテープがオススメです)

害虫は発生し出すと一気に増えるので、早めの駆除、予防が大事ですよ
アブラムシの予防法
- 光の反射を利用する
- 防虫ネットを使う
という方法があります。

アブラムシは下から光を受けると上下の感覚が分からなくなりうまく飛べなくなるという習性があるのでそれを利用します。光の反射を利用するにはアルミ箔を苗の下に敷く、シルバーマルチを使うという方法があります。

防虫ネットを使う方法は単純に防虫ネットで植物を覆ってしまうというやり方です。アブラムシは小さいので目が小さい(0.75マス目の防虫ネット)を使用しましょう。防虫ネットは光も通すし水やりも上から出来るので便利ですよ。(カモミールは蒸れが苦手なので蒸れないようにこまめに取り外して乾燥させてあげましょう)
~ハーブにつきやすい害虫について詳しくはこちら~
カモミールの収穫について

3月末~6月ごろに花が咲くので、その花を収穫します。(ローマン種は5~6月ごろ)
ジャーマンカモミールの場合
開花して花の中心の黄色い部分が盛り上がってきたら収穫適期です。↑だいたい上の写真くらいですね
ローマンカモミールの場合
咲いたばかりの花を摘み取ってOKです
手やハサミで花のすぐ下を切って収穫しましょう。よく晴れた日の朝に収穫した方が芳香成分もたっぷりなのでオススメですよ。
花はだいたい2~3日程度咲き続けますので晴れた日の朝に一気に収穫してしまいましょう。
ちょうどゴールデンウィークの朝にいっぱい収穫できるので、うちの子供も大喜びで収穫していましたよ。
収穫した後の茎はもう花が咲きませんので気づいたときに切り取っておきましょう。その方が他の茎に栄養がいきやすいので新しい花が咲きやすくなりますよ。
収穫した花は風通しの良い部屋でしっかり乾燥させれば一年程度は保存できます。
フレッシュなままでも冷蔵庫に入れておけば一週間程度は保存可能です。
ローマン種の場合は茎や葉にも香りがあるので必要な時に刈り取ってポプリとして使ったりネットなどに入れて入浴剤としても使えますよ
カモミールの夏越し
ジャーマンカモミールは一年草のため夏を越さずにに枯れてしまいます。
ローマンカモミールの場合は夏越に向けて準備が必要です。ローマンカモミールは夏に弱いので茎や葉っぱを短めに刈り込んで蒸れにくいようにしましょう。刈り込んだ茎や葉は芳香成分があるので使用してしまえば一石二鳥ですね。
カモミールの利用方法
ハーブティー

ジャーマンカモミールのオススメの利用方法はハーブティーです。
ベランダから摘みたての花を数個ポットに入れる、又は乾燥させた花を入れて、お湯を注ぎ5~6分程度待てば完成です。とても甘い香りがしてリラックス出来ます。おやすみ前にもオススメですよ。
普段、お茶や紅茶などをお湯出ししている方は、そこにカモミールを加えるだけで甘いリラックスティーの完成です。花を一個いれるだけでもかなり香りがしますよ。
料理に

白くてかわいい花びらは『エディブルフラワー』(食べられる花)として利用できます。
食べる場合は花びらだけにしましょう。花の真ん中の黄色い部分は…苦いです ←食ったんかい(笑)
ポプリ、インテリアとして

カモミールは爽やかな甘い香りがするのでポプリとして使うのもオススメです。
枕に入れれば安眠効果のあるハーブピローの完成です。
袋に入れて入浴剤として使うこともできますよ。
植物のお医者さんとして
カモミールは近くに生えている植物を健康にする働きがあります。『植物のお医者さん』といわれています。近くに植えていれば植物を元気にしてくれて害虫予防にもなります。ハーブティーや入浴剤として使用した後の花を土に埋めておくのでも効果があります。
まとめ

以上、カモミールの育て方、利用法などを書いてきました。
使いやすく甘い香りで筆者も凄くお気に入りのハーブです。たくさん収穫して乾燥させてビンに入れ保存し、年中使用できるようにしています。
私の奥さんも凄くお気に入りで毎朝仕事に持っていくお茶に乾燥させたカモミールを入れて飲んでいます。女性にうれしい効果がたくさんなところも大変グッドです!
カモミールは育てやすく花も白くてかわいいのでオススメです。子供も白くてかわいい花がいっぱい咲くので喜んでくれますよ。
みなさんもカモミールの安眠、リラックス効果で一日の疲れをリフレッシュしてください!
メリハリのある人生があなたを待ってますよ!!
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